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私たちプラス ロジスティクスは、荷主様の商材が持つ特性に合わせた物流オペレーションのコーディネートから倉庫運営まで、一括支援することが可能です。
この記事では、プラス ロジスティクスが行った物流改善の事例の中から、ソファやベッドをはじめとする大型家具を取り扱う株式会社ベイクルーズ様の案件をご紹介します。
お客様情報
社名 | 株式会社ベイクルーズ |
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事業内容 | レディース・メンズのトータルファッションの企画・製造・販売・直営店の運営、飲食店の運営、インターネット通販サイトの運営、および家具の販売、フィットネス事業の運営 |
ビジネス形態 | B to B、B to C |
従業員数 | 5,457名(2023年9月1日時点) |
ご利用サービス | 物流戦略、センター運営、配送ネットワーク |
稼働までのプロジェクト期間 | 6ヵ月 |
物流戦略を提案し、新規物流拠点の設計からオペレーション、システムまでのすべてを最適化
多くのファッションブランドを展開する株式会社ベイクルーズ様では、「ジャーナル スタンダード ファニチャー」と、アメリカン・ヴィンテージ家具を扱う「アクメ ファニチャー」の2ブランドを運営しています。
大型家具の物流は、アパレルの物流とはノウハウが異なることもあり、店舗が拡大して物量が増えるに従ってさまざまな課題に直面。物流センターの移転計画の際に、縁あって、私たちプラス ロジスティクスに物流プロセスの設計と改善、倉庫運営についてご相談いただきました。現在、千葉県柏市にある「柏沼南センター」で家具・インテリア2ブランドのセンター運営を一括受託しています。
自動化が難しい大型家具にまつわる物流オペレーションの課題を解決し、顧客満足度を向上させた取り組みについて、ベイクルーズの家具部門の物流担当者である鈴木様と佐藤様、そしてプラス ロジスティクスから営業担当の圷(あくつ)、倉庫運営を担当する池上、輿石(こしいし)に、詳しく話を聞きました。
アパレルとは異なる、大型家具の商品特性
――まずは「ジャーナル スタンダード ファニチャー」と「アクメ ファニチャー」の2ブランドについて、詳しく教えてください。
ベイクルーズ 鈴木様:
「ジャーナル スタンダード ファニチャー」と「アクメ ファニチャー」は、私たちが運営している家具ブランドで、ソファやテーブルといった大型家具をはじめ、ラグなどのファブリック、照明やミラーなど、合わせて30アイテム約1,400SKUを取り扱っています。B to Cである直営店、ECでの販売のほか、卸やB to Bのお客様とも取引しています。
――アパレルと比較し、家具の商品特性はどのようなものでしょうか?
ベイクルーズ 鈴木様:
家具はアパレルとは異なり、商品自体が大きくさまざまな形状で、ガラスなどの破損しやすい素材を使用している商品もあるのが特徴です。また、アパレルであればご購入いただいたお客様に受け渡せばお買い上げは完了しますが、大型家具には必ず配送が発生します。
お届け先での組み立てや設置などのサービスが必要な場合もありますよね。いくら良い家具であっても、配送や組み立て時に問題があると、お客様にとっての商品価値は下がってしまいます。配送そのものが顧客満足度に直結することも大きな特徴といえますね。
――ベイクルーズ様では2015年頃から徐々に家具部門の売上が拡大し、物流が大きくなり始めたと聞きました。当時抱えていた課題について教えてください。
ベイクルーズ 鈴木様:
アパレルの物流には慣れていましたが、家具の物流は手探り状態で…。家具の形状に合わせてうまく保管することができず、倉庫では入荷したソファや椅子を床にただ並べているような状態でした。
また、店舗で家具が1つ売れたら、「在庫数が少ない商品の場合は、その都度電話やメールで倉庫に在庫の問い合わせをする」といったアナログなやりとりをしていて、さまざまな問題が発生していました。
――具体的にはどのような問題が起きていたのでしょうか?
ベイクルーズ 鈴木様:
当時は在庫管理の精度が低く、自社のシステムではデータ上の在庫数の把握はしていましたが、倉庫での物理的な管理とシステムのデータが連動していなかったため、在庫管理が煩雑になっていました。また、台帳管理も記載ミスが多発し、記載されている商品が取り置き分なのか、それとも販売可能なのかもわかりづらく、正確ではありませんでした。そのため、実在庫と理論在庫が一致せず、在庫金額が合わないことも頻繁に発生していました。
また、家具の中にはテーブルのように組み立てが必要なものもあり、倉庫では複数の部品の管理が必要です。ところが、倉庫で保管しているテーブルの天板と脚の数が合わないため販売機会を損失したり、不良在庫化したりすることもありました。
ほかにも、倉庫内での品質管理ができずダメージが頻発したり、受注から配送のプロセスもアナログで、記入漏れや入力ミスによるトラブルが発生したり…。とにかく、家具に適した倉庫管理や配送に関する仕組みを持っていなかったため、すべてのプロセスを改善する必要がありました。
家具の扱いに長けるプラス ロジスティクスとの出会い
――そこで、プラス ロジスティクスとの出会いがあったのですね。
ベイクルーズ 鈴木様:
その頃、キャパシティの問題もあり、倉庫移転と同時に物流プロセスを改善してくれる物流パートナーを探していて、数社からご提案を受けていました。
その中にプラス ロジスティクスさんがいらしたのですが、同時期に臨時のチャーター便が必要となり、手配ができないかご相談したところ、レスポンスが良く、迅速で丁寧な対応をしてくださったのが出会いです。
プラス ロジスティクス 圷:
私たちプラス ロジスティクスは、オフィス家具を取り扱うプラスの物流部門から派生した会社なので、家具など大きな商材の物流や管理は得意です。また、グループ子会社のプラス カーゴサービスでは、個人のお客様向けに家具の組み立て設置の配送ネットワークを全国で構築していて、それらが幸いしましたね。to C、to Bと両商材のセンター運営・配送の実績もありますので、ベイクルーズ様の物流戦略に合わせ、新しい物流拠点のエリアと大型家具に適した倉庫設計をご提案し、課題となっていた配送網や物流システム、オペレーションの改善案を提示させていただきました。
ベイクルーズ 鈴木様:
物流システムや倉庫管理のプレゼンをしていただくと、その内容はもちろん、コスト感や提案力、熱意も他社と比較して優れていたので、一括して委託を決定しました。以来、センター管理をプラス ロジスティクスさん、配送業務の一部エリアについてはプラス カーゴサービスさんにお願いしています。
プラス ロジスティクス 池上:
ソファやベッドなどの大型家具は、倉庫の高さを活かして効率良く保管することが重要です。大型商品の保管ノウハウについて、弊社には実績や知見があり、自信があります。これまで行ってきたことをしっかりと提案でき、現場の運用事例で訴求することができました。
ベイクルーズ 鈴木様:
契約前にプラス ロジスティクスさんが運営されている倉庫を見学させていただいたのですが、各作業工程の配置や庫内の整理整頓もきっちりされていて、丁寧に管理されていることが伝わり、大切な商品をお預けしても安心だと感じました。
――センター運営を委託し、現在はどのように感じられていますか?
ベイクルーズ 佐藤様:
鈴木が前述したとおり、私たちの商品をとにかく丁寧に扱っていただけるのがうれしいですね。大型商品ばかりですが倉庫内での取り扱いに慣れていらっしゃること、徹底した先入れ先出しが実施されていることも、私たちだけではできなかったことです。
また、定期的な抜き取り検品を、時間をかけて行うため、顧客満足度が向上しています。
プラス ロジスティクス 輿石:
ベイクルーズ様は高額商品やヴィンテージ商品も多く取り扱っていらっしゃいます。購入されたお客様に100%の商品を届けることを意識し、商品に傷や破損が起きないように商品管理を徹底。外装にも注意して荷扱いをしています。
特に、入荷検品は力を入れていて、スタッフ同士で意見を出し合って、より良い検品ができるように配慮しています。
■ベイクルーズ 柏沼南センターの運営の流れ
ベイクルーズ 佐藤様:
プラス ロジスティクスさんに委託するようになってから、ダメージなどのトラブルが発生したときのトレーサビリティーも格段に向上しました。お届け後のロット番号を、社内の出荷情報から特定することは困難なため、不具合が発生した際、以前は確認に手間と時間がかかっていました。
現在は配送管理システムの精度が高いため、出荷前の経緯や配送状況の流れからロットの確認をスピーディーに行えるようになりました。お客様への報告もすみやかに行えるので顧客満足度の向上につながっていると思います。
――システム面の改善も大きかったのですね。
ベイクルーズ 鈴木様:
プラス ロジスティクスさんのWMSと配送システムを連携させて利用することで、アナログのプロセスから脱却することができ、システム上でデータの一元管理が実現しました。
まず、在庫管理の精度が格段に向上しました。現在では入出荷の管理や、良品・不良品などの商品区分、受注後の出荷待ち商品の状況をスピーディーに把握でき、販売可能な在庫数を店舗でもすぐに確認できます。土日でもシステム上で在庫確認ができるので、販売機会を逃すことがなくなりました。
ベイクルーズ 佐藤様:
搬入間口など納品時の注意事項についても、システム上で共有できるようになりました。大きな家具は、ご自宅の階段を曲がれない場合がありますが、搬入不可の場合は返品できないので、お客様をがっかりさせないように、必要事項を確認できる点は大きいですね。
――在庫管理の精度向上は棚卸にも影響はありましたか?
ベイクルーズ 鈴木様:
以前は、倉庫から報告された数字を私がシステムに登録していましたが、そもそも倉庫で行う棚卸の精度が低く、実棚と在庫データの数字が一致しないことも往々にしてありました。現在は、プラス ロジスティクスさんがシステム上で在庫管理されていて、棚卸精度が向上。弊社で管理しているシステム在庫との乖離も少なく、適切な棚卸が実現しています。
プラス ロジスティクス 輿石:
2023年8月には、柏沼南センターで棚卸の差異ゼロを達成できました。現在、年4回の棚卸を行っており、ベイクルーズ様の基幹システムの在庫数量と、私たちプラス ロジスティクスが管理する実棚の数量を突き合わせています。棚卸は企業運営にも響くものなので、特に入荷検品・出荷作業の精度向上に努め、在庫管理の強化を徹底しています。
「ジャーナル スタンダード ファニチャー」と「アクメ ファニチャー」の今後の展望
――拡大が続くベイクルーズ様の家具部門ですが、今後の展望についてお聞かせください。
ベイクルーズ 鈴木様:
ショッピングモールでの自社のアパレルブランドとの複合店舗の展開が増えてきており、家具のみならず、雑貨アイテムの商品展開も強化しています。幅広い層のお客様へ向けて「ジャーナル スタンダード ファニチャー」と「アクメ ファニチャー」を訴求していきたいですね。ブランドの拡大に伴って、物流量も増える見込みなので、今後もプラス ロジスティクスさんのお力添えに期待しています。
ベイクルーズ 佐藤様:
プラス ロジスティクスさんはベイクルーズの考え方に寄り添ってくださって、現場目線で私たちに不足している部分を補ってくれています。スタッフ一人ひとりのモチベーションが高く、購入してくださったお客様のことも考えて行動していただいていることがありがたいですね。
多くのお客様が毎日の生活を楽しめるように、プラス ロジスティクスさんといっしょにしっかりと商品をお届けしていきたいと思います。
大型家具・商材のセンター運営、在庫管理はプラス ロジスティクスにお任せください
プラス ロジスティクスは荷主様に最適な物流改革を実現します。自動化が難しい家具などの大型商材の物流課題の解決は、プラス ロジスティクスの得意ジャンルです。プラスグループの豊かな経験と実績で、お客様の物流工程・センター運営の最適化をご提案します。
私たちは常にお客様目線で伴走し、現場の目線で生産性や売上の向上を目指します。物流オペレーションの改善やセンター運営の最適化にお悩みのお客様は、ぜひプラス ロジスティクスへご相談ください。
※文中でのお客様氏名は仮名です。