梱包作業を効率化する方法とは?コツや外注の成功実例も紹介

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物流業務において、梱包は多くの手間と時間のかかる作業です。機械化や自動化されている物流倉庫もありますが、手作業で行っている事業者も多いのではないでしょうか。

この記事では、梱包の基本情報のほか、できるだけ効率良く梱包を行うためのポイントを紹介します。梱包方法の見直しによる物流コストの適正化や、業務効率化を目指している事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

梱包の効率化が必要とされる理由

物流における梱包の効率化は、人手不足や配送コストの上昇といった物流業界が抱える問題の解決に役立ちます。

梱包作業を見直して効率化すれば、それだけ業務にかかる時間の削減が可能です。人手不足が深刻化する物流業界において、梱包を含む業務の効率化は急務だといえるでしょう。また、梱包業務における無駄の削減は、資材コストや人件費の適正化にも寄与します。

 

梱包業務は、生産工程における最終作業です。工場で製造された商品を汚れや破損を防ぎながら、確実に消費者の元に届けるためには、確実な梱包業務が欠かせません。

梱包業務の効率化した適切な梱包は、品質の保持や顧客満足度の向上にもつながっていくと考えられます。

 

 

一般的な梱包作業の流れ

梱包作業は、どのような流れで行われているのでしょうか。梱包をどのように行っているのかをあらためて可視化することで、時間がかかっている作業や課題、効率化できるポイントを見つけやすくなります。一般的な梱包作業の流れは下記のとおりです。

 

  1. 商品に適した梱包材を選ぶ

まずは、梱包する商品に適した梱包材を選定します。梱包材は外装と緩衝材に分けられ、それぞれ適切なものを選ばなければいけません。外装と緩衝材について、詳しく見ていきましょう。

 

・外装

外装とは、梱包の一番外側の段ボールや封筒などのことです。商品の一番外側に位置するため、形状やサイズ、保護性能などを考えて選択しなければいけません。利用されることが多いのは段ボールですが、ほかにも下記のように、さまざまな外装があります。

 

■外装の種類

段ボール サイズが豊富で商品保護にも適しているため、さまざまな商品の梱包に利用されている。
宅配袋 小サイズから利用可能な宅配用の袋。紙製で、ある程度の強度があり、保管スペースが少なく済む。内部に緩衝材が貼られたものもある。
宅配ビニール袋 宅配に利用される強度の高いビニール袋。安価で保管スペースも少なく、防水性が高い反面、商品を保護する力はあまりない。アパレル製品などに使われることが多い。
封筒 紙製の封筒。カタログや書類などを入れるのに利用される。
クッション封筒 内側に緩衝材を貼り付けた封筒。本やCDなど、薄くて小さいものを保護しながら配送するのに適している。
ボックスケース 小さい紙製の箱。段ボールよりも安価でコンパクトなため、ラッピングにも適している。ただし、強度は段ボールよりも低い。

 

・緩衝材

緩衝材とは、外装箱と商品のあいだに詰めたり、商品を包んだりして保護するための資材のこと。適切な緩衝材を利用することで商品の破損リスクを低減できます。緩衝材の種類は、下記のとおりです。

 

■緩衝材の種類

気泡緩衝材 小さい気泡が複数並んだシートタイプの緩衝剤。商品を包んで保護したり、隙間に詰めたりして利用する。
エアー緩衝材 空気の入った袋を連結させた形の緩衝材で、段ボールの隙間を埋めるのに適している。細かいサイズ変更や商品を包むのには使えない。
バラ緩衝材 荷物の隙間に入れる細かい繭のような形をした緩衝材。クッション能力が高く、袋入りを使えば大きな隙間にも使えて汎用性が高い。
紙緩衝材 荷物の隙間に入れる紙製の緩衝材。自由度が高く手軽に使える反面、クッション性には劣る。
緩衝シート ポリエチレンなどでできたシート状の緩衝材。断熱性や防湿性に優れ、商品サイズに応じてカットすることもできる。

 

 

  1. 外装に商品を入れ、緩衝材で隙間を埋める

選定した外装と緩衝材を使って、商品を梱包します。納品書やチラシなど、商品に同封する書類がある場合は、併せて外装箱の中に入れてください。

組み立てが必要な外装を利用する場合は、まず外装を組み立ててから商品を入れ、隙間に緩衝材を詰めます。商品の特性に合わせた形状の緩衝材を選ぶことで、破損を防ぐことが可能です。場合によっては、商品をエアー緩衝材でくるんだのちに外装に入れ、隙間にバラ緩衝材を詰めるなど、複数の資材を利用することもあります。

緩衝材を商品のサイズにカットしたり、選定したりするには多くの時間がかかります。自動製函機と呼ばれる機械を使用すれば、たたまれた状態の段ボールを自動で組み立てることが可能です。

 

 

  1. テープで外装を封印する

外装に商品を詰めたら、テープで封をします。使用するテープは、OPPテープやガムテープなどが使われます。

配送途中に外装箱が開いてしまうと、配送事故の原因になります。重い荷物を梱包する際は、段ボールの底をテープで十字に留めるといった工夫が必要です。

自動でテープを貼ってとめることのできるシステムや、熱でビニール製の袋を閉じられるシーラーなどを利用することもあります。

 

 

  1. 配送先などのラベルを貼る

外装に配送先を示すラベルを貼付します。配送先のラベルの貼付間違いがあると、誤配送が起こり、大きな問題になります。間違いが起こらないように、ラベルを貼る手順をルール化したり、整理整頓を心掛けてラベルの紛失を防いだりといった工夫をすることが必要です。

外装に封をする前にオーダー番号などを示すラベルを貼っておき、それに応じた配送先ラベルを出力して貼り付けるといったシステムを導入すると、ラベルの貼り間違いを防げます。

 

 

  1. パレットなどに積む

商品の梱包が済み、配送先ラベルを貼付したら、パレットなどに積み上げます。袋を使って梱包した商品など、積み上げられないものはオリコン(折りたたみコンテナ)などを利用して積み上げます。

商品を一つひとつバラバラに置いていると、発送時のトラックへの積み込みや荷下ろしの際に手間がかかります。方面別などに仕分けをしてパレットやオリコンに積んでおくことで、効率良く作業を進められるでしょう。

 

 

梱包の効率化で見直すポイント

梱包を効率化する方法は複数ありますが、中でも特に改善しやすいポイントをご紹介します。自社の梱包業務の中で、見直せる部分がないかチェックしてみてください。

 

作業環境・動線の見直し

梱包する場所の作業環境や動線を見直すだけでも、梱包業務の効率化が可能です。例えば、作業台の高さが作業者の身長に適していない場合、動きに無駄が出てしまって作業効率が落ちます。また、十分な作業スペースが確保されておらず、荷物で動きが制限される場合も同様です。

作業環境や動線の見直しは、梱包作業の効率化とともに、作業を行うスタッフの負担軽減にもなります。現場のスタッフにヒアリングを行い、より良い環境や動線を実現しましょう。

 

無駄な工程の見直し

梱包業務では、段ボールの組み立てや緩衝材で商品をくるむといった複数の業務が発生します。一連の業務を無駄のない動きで行えているかどうか、工程を見直すことをおすすめします。

例えば、段ボールを組み立てるために置いているガムテープの位置が低いと、「ガムテープを取るために体をかがめ、体勢を戻してから貼る」という無駄な動きが生じます。また、梱包材の置き場が梱包場所から離れている場合、わざわざそこまで取りに行かなければならず、時間の無駄です。

必要な資材を周囲に配置するためには一定のスペースが必要ですが、近くに資材があることで業務効率はアップします。工程や作業環境を見直して、無駄な動きを極力なくしてください。

 

梱包資材の見直し

商品に適した梱包材を迷いなく選択できる体制を整えることも、効率化のために必要なことです。

商品を梱包する資材の種類が少なかったり、多すぎたりすると、適切なサイズの梱包材がなかったり、梱包材を選定するのに時間がかかったりします。商品サイズに対して大きすぎる段ボールを使うとそれだけ無駄な保管スペースが必要になりますし、緩衝材も多くなり、配送料も高くなってしまいます。商材に適した梱包材をスムーズに選べるように、梱包材の選定システムを見直してください。

また、梱包材自体を商材に合ったものに変更する方法もあります。オリジナルの梱包材を用意するためにはコストがかかりますが、商品の破損などを防ぎやすくなります。さらには、ブランドイメージが向上するほか、環境に配慮した梱包材を使用することで環境保護に寄与することも可能です。

 

システム導入の検討

梱包の自動化には、システム導入も効果があります。段ボールの組み立てを行う機械や、封緘までを行える機械、シュリンクで商品を梱包できる機械、納品書やチラシなどを自動で同封してから梱包できる機械など、梱包を自動化するためのシステムは多種多様。梱包業務のほとんどを自動化することも可能です。

ただし、大規模な自動化を行うにはコストもかかります。自社に合ったスケールでの自動化を検討しましょう。

段ボールの組み立てなど、梱包業務を半自動化する機械などを活用するのもおすすめです。システムの導入コストと、自動化によって削減できるコストのバランスを考えることが大切です。

 

 

梱包はアウトソーシングで一括外注することが可能

梱包作業は、アウトソーシングして物流の専門企業に委託することができます。物流のプロの目線で、取り扱い商材や特徴に応じた梱包機材の導入、作業動線の見直しなどを行えば、梱包作業にかかる負担をまとめて軽減することが可能です。

多大な手間と人手がかかる物流業務をプロに任せて、リードタイムの適正化や人手不足問題の解消、物流品質の確保といった物流課題の解消を実現しましょう。

 

プラス ロジスティクスグループでは、梱包を含む倉庫内作業から物流の総合コンサルティングまで、物流に関するあらゆる課題解決を請け負っています。プラス ロジスティクスがお手伝いし、梱包を効率化できた事例をご紹介します。

 

ジョインテックス東日本センターで実施した梱包の効率化

プラス ロジスティクスが倉庫内作業を請け負っているジョインテックス東日本センターでは、梱包の効率化を図るために下記のような施策を実施しました。

 

<ジョインテックス東日本センターで実施した梱包効率化の例>

  • 梱包作業者に対し、適切な梱包資材や梱包サイズの目安、養生の指示などをタブレット表示。
  • 少量で小さな商品にはシュリンクピロー包装機を活用。対象サイズを自動で選定し、ビニール梱包を実施。
  • 使用頻度の高いダンボール箱については自動製函機・封函機を利用し、ダンボール箱の自動組み立てや自動封緘(テープ止め)を実施。

プラス ロジスティクスが運営する物流センターでの梱包作業効率化事例

 

このように作業をシステム化・自動化することで、作業者の熟練差による梱包品質の低下を防ぐとともに、配送料や資材の最適化、梱包作業工数の軽減につながっています。

 

ジョインテックス東日本センターの詳しい事例についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

倉庫の自動化により出荷能力向上と省人化を実現 │ プラス株式会社ジョインテックスカンパニー様

 

物流をワンストップでアウトソーシングすることで、物流業務の根本的な改革が可能です。もちろん、梱包だけなど、一部のみのご相談も承っています。お気軽にご相談ください。

 

 

梱包の効率化に悩みがある事業者はプラス ロジスティクスにご相談ください

梱包作業は、やり方を見直したり、システムを導入したりすることで効率化が可能です。大きな初期費用をかけられない場合でも、作業環境や業務内容の改善、アウトソーシングなどで従来よりも効率良く業務を行えるようになる可能性は十分あります。物流全体のコスト削減、生産性向上のために、梱包作業を見直してみてください。

 

さまざまな効率化の方法の中から、事業者ごとに最適な方法を見つけるためには、物流専門業者への相談が効果的です。物流業務の一括アウトソーシングによる効率化といった方法もありますから、ぜひプラス ロジスティクスグループまでご相談ください。経営戦略にもつながる、根本的な物流改革をご提案します。

 

プラス ロジスティクスへのお問い合わせはこちらから

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