物流戦略とは?経営戦略に組み込むメリットや策定のポイントを解説

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物流戦略とは、経営改善のために物流の効率化やコストの配分を計画し、実行することです。従来、物流部門の効率化はコストの削減を目指して行われるのが当たり前でした。

 

しかし、近年では多くの企業で物流の在り方を戦略的に見直すことが多くなりました。物流戦略を策定することで、コストの削減だけでなく利益の拡大につなげることも可能です。

この記事では、物流戦略の基本のほか、物流戦略を策定するポイントについて解説します。

 

 

物流施設の管理や活用を効率化することで、経営を改善することができる

物流施設をはじめとする物流の在り方を見直し、効率化を進める「物流戦略」は、経営戦略の一環です。適切な物流戦略の策定と実行は、経営の改善につながります。

そもそも物流とは、商品が生産地から消費者の手に届くまでの一連の流れのことです。従来、物流は「コストがかかる部門」と考えられてきました。企業にとって利益を生み出すのは商品そのものであり、物流は商品を売るために必要なコストであるという考え方です。

しかし現在では、物流の在り方を見直し、効率化することが経営改善に役立つという考え方が広がっています。例えば物流の効率を上げて、これまで到着までに1週間かかっていた荷物が2日で届くようになれば、顧客の利便性が上がります。利便性が上がれば、それだけ購買に至る割合も高くなるでしょう。

具体的な例については後述しますが、物流を重視し、改善していくことで経営課題を解決できる可能性があります。物流に関する固定観念を捨て、柔軟な運用を行っていくことで、売上の最大化が可能です。

 

 

物流戦略を策定するメリット

続いて、物流戦略を策定、実行するメリットを紹介します。自社の課題と照らし合わせて、解決するための参考にしてください。

 

企業全体の業務フローの効率化

物流戦略を立てて効率化を図ることは、企業全体の業務フローの効率化につながります。

工場で製造された商品は、通常、倉庫に運ばれて保管され、その後、出荷指示に応じて小売店や消費者へと届けられます。これらにかかる時間を効率化によって縮められれば、製造から販売までのスパンを短縮することが可能です。商品の製造コストを回収するまでの期間が短くなるため、より速いサイクルで投資を次にまわすことができます。

 

納期はむやみに短ければよいというものではありません。しかし、無駄な作業や非効率な業務によって納期が遅れれば、それだけ資金繰りの悪化に陥るリスクが高まります。

物流戦略を立てて適切なサイクルで業務を回せるようにすることが、企業全体の業務フローの効率化につながるといえるでしょう。

 

コスト削減

物流戦略によって物流の在り方を見直すことで、物流コストを削減することが可能です。

例えば、より無駄のない配送ルートを検討してトラックの走行距離を減らせば、それだけ人件費や燃料費を削減できます。また、荷台への積み込み方法や配送頻度を見直せば、積載率が上がるでしょう。

同様に、倉庫内業務の効率化による人件費の削減や、ミスの起こりにくい体制構築による無駄の削減なども、コスト削減に役立ちます。

 

顧客満足度の向上

物流戦略によって物流が効率化すると、結果的に消費者や荷主からの評価が上がり、顧客満足度の向上に寄与することも大きなメリットです。

例えば、物流効率を上げるために商品のサイズに合った梱包ができる体制を整えたとします。ペン1本を大きな梱包材に入れて発送していた場合、顧客は梱包を開封したり梱包材を処分したりするのに、多大な手間をかけなければいけません。商品のサイズに合った梱包にすることは、トラックに多くの商品を効率良く積めるだけでなく、顧客満足度にもつながります。

同様に、物流効率の向上によるスピーディーな配送や、徹底した温度管理による鮮度の高い配送などが実現すれば、顧客はより良い商品を欲しいタイミングで入手可能に。効率化によって人の手による作業を減らせばヒューマンエラーも減り、誤配送といったミスも起こりにくくなります。

 

販売機会の拡大

物流戦略を策定・実行することで企業のリソースを適切に配分し直せれば、販売機会の拡大に向けた施策も講じやすくなります。

企業は、自社の持つ人的リソースや資産を各事業に分配した上で事業活動を行います。しかし、物流部門に多くのリソースを割いてしまうと、新たな事業の立ち上げやマーケティングの強化といった、販売機会を生む事業に十分なリソースを投入できなくなってしまうでしょう。

物流戦略によってリソースの配分を見直し、販売機会の拡大につながる事業に注力できるようになれば、それだけ事業の拡大も見込めるようになります。また、物流効率が上がって多くの商品をスピーディーに処理できるようになれば、販売機会が拡大して物流量が増加しても、スムーズな対応が可能です。

 

リスク管理

物流を効率化するにあたっては、セキュリティ管理やクレーム処理などへの対応も求められます。

誤配送や顧客の情報流出といったセキュリティ事故が起こってしまうと大きな問題になり、対応に追われることに。顧客からの信頼も失ってしまうでしょう。同様に、クレームが発生した際の対応も、顧客満足度を左右するポイントです。

物流戦略は、平時の効率化だけを求めるものではありません。物流全体を最適化し、品質の向上を目指すことが、結局はトラブル回避やコストの適正化にもつながっていきます。

 

競合他社との差別化

戦略的に物流を見直すことは、競合他社との差別化にもつながります。自社の優位な点を見つけ、それを活かした物流戦略をとることで、他社にはない価値を顧客に提供することが可能です。

競合他社との差別化においては、物流におけるサステナビリティもひとつの要素になります。物流は、環境問題や労働問題と切り離すことができないものです。物流の効率化による省エネ対策や、倉庫内業務の自動化によるスタッフの労働環境改善などへの取り組みが求められるでしょう。

 

 

物流戦略を策定するポイント

物流戦略は、企業の業績や利益を左右する大きな要素です。自社の状況に合わせて慎重に策定しなければなりません。下記のポイントに留意し、物流戦略の策定を検討してください。

 

 

物流戦略を企業の経営戦略と連動させる

物流戦略は、単体で考えるものではありません。経営戦略と連動させて、効率的な物流体制の構築を目指しましょう。原料の調達から消費に至るまでの、サプライチェーン全体の最適化を目指していくことが必要です。

問題を細分化し、KPIを設定して、一つひとつの課題の解決と目標の達成を目指してください。

 

自社の強みと弱みを分析する

物流戦略を立てるためには、自社の現状を正しく知る必要があります。強みや弱み、現在の業務フローを把握した上で、経営資源をどのように活用しているのかを確認します。

業務効率を低下させる原因や業務上の課題がわかれば、それを解決するための物流戦略も見えてくるはずです。

 

最新の物流技術を活用する

自動倉庫や物流ロボット、倉庫管理システム、配送管理システムといった最新の技術を活用することで、効率の良い高品質な物流を実現できます。自社の商材や取引状況に適したシステムや設備の導入を検討してください。

ただし、最新技術の導入にはコストと労力がかかります。自社での導入が難しい場合は、外部パートナーが持つ設備の活用も視野に入れるのもおすすめです。

 

外部パートナーとの協業を検討する

物流戦略では、アウトソーシングの活用がひとつのポイントになります。外部の物流専門会社の知見やノウハウを活用することで、自社だけでは実現が難しい高度な物流を実現することができるでしょう。

 

また、物流業務の一部または全部を外部委託することで、自社のリソースを物流以外の部分に回せるようになります。新たな事業の立ち上げやマーケティング施策の実施などによって、販売機会の拡大を目指すことも可能です。

ただし、外部パートナーは慎重に選定する必要があります。自社の取り扱い商材を熟知し、物流効率化につながるサービスを提供できる業者を見つけてください。

 

 

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