在庫管理表の記載項目とは？Excelで作る方法や目的を解説

在庫管理表は、商品在庫を保有して事業を行う企業にとって、非常に重要性の高い書類です。在庫の管理が正しくできていないと、在庫切れによる顧客満足度の低下、余剰在庫による経営の圧迫を招くおそれがあります。

適切な在庫管理を行うために、在庫管理表の役割や記載項目、種類について知っておきましょう。在庫管理表を作成すべき目的や方法、ポイントついても併せて解説します。

 

 

在庫管理表は、入庫数・出庫数・在庫数をまとめて把握するための表のこと

在庫管理表とは、倉庫に保管されている商品を管理するための表のことで、入庫数や出庫数、在庫数などが記載されています。

小売業や製造業、倉庫業といった、在庫の保有・管理が必要な業種では、適切な管理が欠かせません。商品の入出庫数や在庫数を客観的なデータとして在庫管理表に記載し、担当者間で共有するようにしましょう。

 

在庫管理表に記載する主な項目

在庫管理表に記載する項目には、特に決まりはありません。自社の業種や取り扱う商品などに応じて、管理したい項目を定めて記載しましょう。一般的に記載される主な項目は、以下のとおりです。

ただし、在庫管理表の記載項目は、単票タイプか在庫移動票タイプかによっても変わります。具体的な種類について説明していきます。

 

在庫管理表の主な種類

在庫管理表は、主に、単票タイプと在庫移動票タイプのどちらかの種類で作成します。それぞれメリットやデメリットが異なるため、目的に応じて使い分けましょう。両方を併用する場合もあります。

 

• 単票タイプ

単票タイプの在庫管理表は、1つの商品に対し、1枚の在庫管理表を作成する方法です。いつ、誰が、いくつ入庫または出庫したのかといった、その時点での在庫数を細かく記録できます。反面、管理する商品数が多いと在庫管理表の枚数も多くなり、記入にも情報の確認にも時間がかかってしまいます。

 

■単票タイプの在庫管理表

 

• 在庫移動票タイプ

在庫移動票タイプの在庫管理表は、複数の商品の在庫が一覧で記載されています。担当者名や日付別の在庫数などといった詳細情報までチェックすることはできないものの、複数の商品の在庫状況を一目で確認することができます。

 

■在庫移動票タイプの在庫管理表

 

 

在庫管理表の目的

在庫管理表は、単に在庫を管理するためだけに使うものではありません。ここでは、在庫管理表の目的について解説します。

 

ヒューマンエラーの防止

在庫管理表の目的の1つに、ヒューマンエラーの防止があります。ヒューマンエラーを防ぐことはなかなか難しいといえますが、在庫管理表で在庫状況を細かくチェックすることで、誤出荷などのミスに気づきやすくなるでしょう。

 

在庫状況のリアルタイムでの把握

在庫状況のリアルタイムでの把握も、在庫管理表の目的として挙げられます。

在庫管理表を作成すると、随時更新が必要になります。今在庫としてどの商品をどれぐらい抱えているかといった、リアルタイムの在庫状況を把握できるようになるでしょう。

 

複数人での在庫管理

在庫管理表は、複数人での在庫管理を目的として使用することもあります。在庫管理を属人化させずに誰でも把握しやすくなり、在庫情報の共有も容易になります。

 

手間や時間を削減

余計な手間や時間を減らすことも、在庫管理表の目的といえます。在庫管理表がないと商品を毎回数え直す必要があり、手間や時間がかかってしまいます。

 

商品の欠品や古い商品の劣化の防止

商品の欠品や古い商品の劣化などを防ぐことも、在庫管理表の目的といえます。適切な在庫管理によって安定した品質の商品を提供できるようになれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

 

人件費の削減

人件費を削減することも、在庫管理表の目的の1つです。

こまめに在庫管理を行うことで、あるはずの商品が見つからずに倉庫内を探し回る、といった手間がなくなるでしょう。また、どこに何があるかを随時把握できるようになれば、倉庫内業務をスムーズに進められ、人件費の削減も期待できます。

 

 

Excelで在庫管理表を作るメリット

在庫管理表の作成方法に決まりはありませんが、ノートなどに手書きで作成する、Excelなどの表計算ソフトを利用して作る、在庫管理システムを活用する、といった方法が一般的です。

 

このうち、Excelなどの表計算ソフトを使って作る方法は、すでにソフトが入っているPCなどを使えば新たなコストがかからず、手書きよりは効率良く管理ができることから、多くの事業者に利用されています。

ここでは、Excelを使って在庫管理表を作成する、主なメリットをご紹介します。

 

手軽に利用できてコストも抑えられる

Excelで在庫管理表を作るメリットの1つは、手軽に利用できてコストも抑えられることです。

一般的な企業では、業務でExcelを使用していることが多いため、新たにシステムを導入する必要がなく、コストを抑えられます。また、使い方がわからないといった心配も少なく、手軽に利用できます。

簡単な在庫管理表であれば自社で作成することもでき、インターネット上で配布されているフォーマットをダウンロードして、使いやすくアレンジすることも可能です。

 

紙よりも機能性が高い

紙の在庫管理表と比較すると、Excelファイルのほうが機能性は高いため、効率良く管理できることもメリットです。

Excelファイルで作成すれば複数人が同時に閲覧でき、ネットワークを通じて社外にいる営業担当者などが内容をチェックすることも可能です。また、担当者をプルダウンで選べる仕様にすることや、在庫状況を品番で検索することも容易に行えます。

 

計算ミスを減らすことができる

Excelで作成するメリットとして、計算ミスを減らせることも挙げられます。

Excelは表計算ソフトなので、入出庫数を入力することで在庫数が自動計算されるといった、数式の設定が可能です。関数を使えば複雑な計算も簡単にできるため、手計算によるミスが起こりません。さらに、計算や転記をする手間も省くことができます。

 

 

Excelで在庫管理表を作るデメリット

Excelを利用した在庫管理表の作成は、手軽でありながら機能性も高い方法といえますが、デメリットもあります。自社の在庫管理表の作成方法を検討する上で、どのようなデメリットがあるのかも確認しておきましょう。

 

商品の点数が多い場合は不向き

取り扱う商品点数が多い企業の場合、Excelファイルの在庫管理表では対応できないこともあります。複数の商品を管理できる在庫移動票タイプでも、商品数が多くなりすぎると、必要な情報を探し出すことが難しくなってしまいます。

また、Excelで作成する在庫管理表は、商品数を目視で数えて数を入力します。数え間違いが生じた場合のチェック機能はないため、ヒューマンエラーによる検品ミスは防ぎきれません。

さらに、Excelファイルの場合、同じセルに対して、複数の人が同時に入力や編集はできないという問題もあります。

 

入力ミスが発生しやすい

Excelファイルの在庫管理表は、入出庫数などの入力は手作業で行うため、入力ミスが発生しやすいこともデメリットといえます。単純に自分が入力すべき数字を間違えるといったミスだけでなく、他人が入力した数字を誤って削除する、別の数字を入力する、といった問題が起こる可能性もあります。

単票タイプの在庫管理表なら入力した担当者まで記載できますが、そこに間違えて別の人を入力されると、誤った記録が残ってしまい、関係のない人が責任を問われることにもなりかねません。数字に関しても同様で、他人が自由に編集できてしまうことから、入力した数字を誤って書き換えられてしまうおそれもあります。

さらに、間違えた情報を入力した状態でファイルを上書きしてしまうと、データが失われてしまいます。随時バックアップするといった対策をとっていても、深刻なヒューマンエラーが起こるリスクをゼロにはできません。

 

データ量が増えると動きが重くなる

Excelで管理するデータ量が増加すると、ファイルの保存や入力といった動作の一つひとつに時間がかかるようになることもデメリットです。あくまでもExcelは表計算ソフトであってデータベースではないため、大量のデータを扱うことは適していません。

大量の在庫管理をスムーズに行うのであれば、Excelではなく専用の在庫管理システムを利用したほうが良いといえるでしょう。

 

 

在庫管理表の作成と運用のポイント

在庫管理表は、社内で共有し、複数人が閲覧や更新をするものです。誰にとってもわかりやすく、操作性の良いものにする必要があるといえるでしょう。在庫管理表を作成・運用する際に、心掛けておきたいポイントをいくつかご紹介します。

 

レイアウトをシンプルにする

在庫管理表を作成・運用する際は、レイアウトをシンプルにすることがポイントです。

在庫管理表はできるだけシンプルな見た目にして、どこに何を入力すれば良いのかが一目でわかるようにしましょう。説明がなくても、初めて在庫管理表を見た人に、どのように入力すれば良いのかわかるフォーマットになっているのが理想といえます。

同時に、記入する際のルールを明確にしておくことも大切です。在庫管理表の数字を更新するタイミング、入力ルールが担当者によって異なると、正確な管理ができないおそれがあります。例えば、商品が返品された場合の記入方法や、不備があって返送された場合の記入方法といった、イレギュラーな出来事が発生した際の対処法などをまとめてマニュアル化しておくと安心です。

 

操作性を意識する

在庫管理表は、誰でも簡単に操作できるように作成することもポイントといえます。複雑な入力ルールにすることはできるだけ避けて、画面をクリックするだけで必要な情報が呼び出されたり、説明が表示されたりするような作りにしておくのが望ましいでしょう。

また、入力漏れやミスが発生しないように、入力できるフィールドを限定したり、入力できる文字数などを制限して該当しない場合はエラーを出したりするような対策も有効です。

 

記入・作業した担当者名を記載する欄を作る

在庫の入出庫数を入力したり、検品したりした担当者の名前を記載できる欄を作っておくこともポイントです。何か問題があった際に、確認しやすくなります。また、担当者名を明記することで、より責任を持って業務にあたれるようになるでしょう。

ただし、Excelファイルの在庫管理表を利用する場合は、担当者名の誤りや記入漏れに注意が必要です。プルダウンで選べるようにするなど、手間なく対応できる仕様にすることをおすすめします。

 

バックアップをする

在庫管理表は、常にバックアップをとるようにしましょう。在庫管理表のデータが消失してしまうと大きな問題になってしまうため、こまめにバックアップをとる必要があります。また、誤ったファイルを上書きしてしまう可能性もあるので、上書き保存をするたびに1つ前のデータがバックアップされる設定にしたり、日付をファイル名にして履歴を残したりする、といった対策をとるのがおすすめです。

なお、Excelではなくクラウドサービスの在庫管理ツールを利用する場合は、自動で必要なデータのバックアップが行われます。万が一、自社のパソコンに問題が生じても、ベンダーのサーバーにデータが残るので安心です。

 

タイムラグによる内容の差異に注意

在庫管理表を手書きや手入力で更新する場合、数字が反映されるまでのタイムラグに注意しましょう。表の数字と実際の在庫状況に差が出てしまうため、在庫引き当てなどの際に問題が生じるおそれがあります。

この問題を解消するためには、リアルタイムで在庫データを管理できるシステムの導入が役立ちます。システムを利用した在庫管理ならタイムラグが生じることはありません。在庫数もシステム的に管理できるため、入力ミスや数え間違いなども防げるでしょう。

 

 

在庫管理表や在庫管理システムについては、プラス ロジスティクスにご相談ください

在庫を正しく管理するためには、在庫管理表の作成が欠かせません。商品数や在庫の変動数がそれほど多くないのであれば、Excelを利用した、必要事項を記入していく方法での在庫管理が可能です。しかし、商品数が多い場合や、リアルタイムでの反映が必要な場合などは、Excelファイルでは不向きなこともあります。

 

リアルタイムで正確な在庫管理をするなら、在庫管理システムの導入が便利です。誤ったデータの上書きといった問題が生じるリスクもありません。

 

それぞれのお客様に最適な在庫管理システムの選定と導入支援は、物流専門企業のプラス ロジスティクスにお任せください。また、在庫管理にとどまらず、物流全体のコーディネートも可能です。どのようなお悩みでも、お気軽にご相談ください。

 

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