流通、小売業のDC・TC向け仕分け業務支援システム
独自開発のシステムにより、納品精度を大幅に高めつつ作業時間を半減。
スキャンによる自動検品で誤納品を防ぎ、追跡データはお客様とリアルタイム共有が可能。
物流センターの重要な業務の1つに、店舗へ商品を発送するための仕分け・検品作業があります。在庫を保管し、注文に応じて出荷するDC(ディストリビューションセンター)や、在庫を持たず商品の積み替えを行うTC(トランスファーセンター)では、日々大量の商品を扱っています。これら拠点での検品作業は、店舗別に仕分けられた商品が正しいか、その個数は合っているかなどを、スタッフが送り状と照合しながら目視で確認するのが一般的です。
仕分け・検品作業をDX化
しかし、この方法には限界があります。見た目が似ている段ボールやコンテナの中から、宛先や個数を瞬時に判別するのは困難な作業です。そのため、作業に時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーによる誤仕分けが発生しやすく、店舗への誤納品や店頭での欠品といった問題の大きな原因となっていました。非効率な作業は、物流現場における長時間労働の一因ともなっています。
こうした課題を解決するため、プラスロジスティクスグループである「プラスカーゴサービス」では、現場の視点を取り入れた独自の「トラッキング検品システム」を開発しました。このシステムは、従来の目視に依存した作業を根本から見直し、デジタル技術の活用を通じて検品作業のDX化を実現します。
ヒューマンエラーを徹底的に排除
「トラッキング検品システム」は、商品の入った段ボールやコンテナに貼り付けられた「カートンID」を、ドライバーが専用のスキャナーで読み取るというシンプルな操作で運用できます。
DCでの作業
センターの作業員が店舗別(または方面別)に仕分けた荷物にカートンIDを貼り付けます。ドライバーは、トラックへ積み込む際に、カーゴテナーやパレットといった物流機器の単位でカートンIDをスキャンします。
TCでの作業
各DCからTCに集まった商品を、配送ルートに基づき、さらに店舗別に仕分けます。ドライバーはここでも同様に、店舗ごとに荷物を積み込む際にカートンIDをスキャンします。
このシステムは、単に荷物を追跡するだけではありません。スキャンすると同時に、画面上で「店舗名と個数の確認」と「積み込み検品」を自動的に行います。もし、異なる店舗の荷物が混ざっていたり、個数が違っていたりした場合は、スキャナーが光と音でエラーを知らせます。これにより、作業者はその場でミスを発見し、即座に修正できるため、誤ったまま出荷されるのを防ぎます。
トラッキング検品システムの導入は、物流品質と作業効率を飛躍的に向上させます。例えば、従来は4トントラック1台分の検品と積み込みに約30分かかっていた作業が、本システムの導入で約15分に短縮されました。この大幅な時間短縮は、作業者の負担を軽減し、ドライバーの長時間労働の是正にも貢献しています。
さらに、スキャンによる機械的なチェックでヒューマンエラーを徹底的に排除することで、他店舗の荷物が混載されるといった誤仕分けがなくなり、店舗への誤納品が大幅に軽減され、納品精度が大きく向上しました。
また、スキャンされたトラッキングデータは、配送管理画面にリアルタイムで反映されます。この画面はお客様とも共有可能で、自社の商品の配送状況をいつでも正確に把握することができます。
320店舗向け業務でのシステム運用実績
「トラッキング検品システム」は、すでに東日本エリアで約320店舗を展開する大手小売業様の店舗配送業務に導入され、その効果を実証しています。
当社グループでは今後もシステムのアップデートを積極的に進めていきます。将来は、荷物1つひとつをスキャンする手間をさらに簡略化する仕組みの開発や、ピッキング情報とデータを連携させることで、店舗側での検収作業そのものを不要にすることを目指しています。これにより、店舗スタッフの皆様の作業負担軽減や省人化にも貢献していきたいと考えています。
物流業界が直面する「2024年問題」の解決策の1つとして、私たちはこのシステムをさらに多くのお客様にご提案していきます。本システムに関する詳しい情報や、お客様の物流課題に合わせたご提案をご希望の場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。