物流会社の役割は?委託するメリットや選ぶ際のポイントを解説

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物流業界は、人々の暮らしや社会を支える重要な役割を果たしています。物流を担っている物流業界は複数の物流会社によって構成されています。物流会社とはどのような会社なのか、あらためて考えてみましょう。

ここでは、物流会社の主な業務内容や物流会社を活用するメリットのほか、選ぶときのポイントなどについて解説します。

 

 

物流会社とは物流業界を構成する企業のこと

物流会社とは、物流全体を一括管理し、サポートする会社のことです。顧客からの依頼を受けて、取扱商品が生産されてから消費者の手元に届くまでの工程管理や実務を担います。

 

物流会社というと、トラックなどで商品を運ぶ業者をイメージする方が多いかもしれません。しかし、このような業務は「運送」や「配送」という物流業務の一部です。物流業務には、運送や配送のほか、商品の保管やピッキングなどの荷役といった多くの工程があります。これらの工程をすべて行うのが物流会社です。物流会社では、荷主企業からの依頼を受けて物流業務を代行し、サービス料を受け取ることで経営を行っています。

 

なお、物流会社は「3PL」と呼ばれることもありますが、3PLは、従来の物流会社よりもより戦略的なサービスを提供している企業だと考えて良いでしょう。

 

3PLについてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。

3PL(サードパーティロジスティクス)とは?物流サービスの基本を解説

 

運送会社と物流会社の違い

物流会社と運送会社は、業務の対応範囲が異なります。混同されがちですが、できることが違うため、区別して把握してください。

運送会社は、トラックなどで荷物を運ぶ事業者のことです。荷物を安全に効率良く配送先まで届けるのが運送会社の役割。一方、物流業者は、物流に関する業務全般を行う事業者です。配送も物流業務の一環ですが、それ以外に、倉庫での商品の保管やピッキング、梱包、在庫管理なども行います。

また、物流会社は、物流業務を行うだけでなく、物流システムの導入などによる業務効率化の提案・提供も業務範囲です。単純に運搬業務を請け負うだけではなく、物流をスムーズに行うための業務改善も対応範囲に含まれるといえるでしょう。

 

 

物流会社が担う6つの業務

物流会社は、主に6つの業務を担います。それぞれの業務を一括して担当することが、ミスの軽減やリードタイムの適正化につながります。また、自社で対応できない一部の業務のみを依頼することも可能です。

ここでは、物流会社が担う6つの業務について詳しく見ていきましょう。

 

物流の業務

 

  1. 輸送・配送

メーカーの工場で作られた商品は、まず、物流倉庫や物流センターに運ばれます。これが「輸送」です。一方、物流倉庫や物流センターから店舗や消費者のもとへ商品を届ける業務は「配送」といいます。

輸送と配送は、トラックなどで商品を運ぶという点では同一です。しかし、輸送が物流倉庫や物流センター宛に大量の荷物を運びこむのに対し、配送では、比較的近距離にある複数の宛先に商品を届けます。

例えば、ボールペンを作っている工場から物流センターへ商品を運ぶのは輸送、物流センターから文具店へボールペンを送るのは配送です。

 

  1. 保管

保管とは、輸送されてきた商品を物流センターや物流倉庫で保管する業務のことを指します。商品の特性に合わせた保管方法をとることで、効率の良い商品管理が可能です。また、生鮮食品や冷凍品など、商品によっては温度管理や賞味期限の管理なども合わせて行います。

文房具を例にすると、軽量でサイズも小さいボールペンであれば、棚などを使って保管するのがおすすめです。棚ごとに番号をつけて、どの商品がどの棚にあるのかがシステム的にわかるようにしておきます。反対に、サイズが大きい商品や重い商品は、商品を載せたまま移動できるパレットを利用して保管するのに適しています。

 

  1. 荷役

荷役(にえき)は、商品をトラックから積み下ろしたり、トラックに積み込んだりする仕事のことです。倉庫に商品が届いたときや、出荷するときに発生します。

出荷指示に従って倉庫内に保管されている商品をピッキングする業務も荷役の一部です。指定どおりの商品、数量をミスなくスピーディーにピッキングする必要があります。

文房具を例に考えると、「ボールペン10箱」という指示だけでは、どれが該当するのかわかりません。メーカーや色、形状などの違いがありますから、商品コードや型番をもとに正確にピッキングを行います。

 

  1. 梱包・包装

梱包・包装とは、商品を出荷する前に、商品の形状や壊れやすさなどに合わせて段ボールや梱包材を使って包むことを指します。折れやすいものや割れやすいものについては、配送中の破損がないような配慮が必要です。できるだけ商品のサイズに合った梱包材を使うことで、効率良く商品を運べます。

 

例えば、ボールペン1本を運ぶのに、120サイズの段ボールを使ってしまうと、段ボールの費用、配送費の両方がかさむ上、トラックの荷台スペースが埋まってしまいます。受け取った相手も、段ボールの処分に手間がかかるでしょう。適切な梱包で、さまざまな無駄を省くことが可能です。

また、作業員によって梱包方法が変わることがないよう、梱包ルールを定めて一律の対応を行う必要もあります。

 

  1. 流通加工

流通加工とは、商品を販売する顧客の要望に合わせて、値札付けや袋詰めを行うことです。メーカーとの取り決めで、物流センターがこうした業務を請け負うことでメーカー側、小売側双方の業務の効率化が行われています。

流通加工では、商品のラッピングやのしなどに対応するケースも。「卒業記念品として、リボンをかける」「赤のボールペンと黒のボールペンをセットにして包装する」といった加工も流通加工に該当します。

 

  1. 情報システム

情報システムとは、物流の工程のひとつではなく、各工程における情報の管理を指します。商品の状態や数、配送状況などをデータとして管理し、依頼主や次の工程の担当者などと共有。物流データを収集・活用することで、物流業務の見直しや効率化にも役立てることができます。

例えば、「発注したボールペンが届かない」といったトラブルが発生したときも、データ管理が行われていれば、いつでも現在の状況を簡単に追跡できます。

 

 

物流会社に物流を任せるメリットとは?

物流業務を自社で対応するのではなく、物流会社に任せることで、さまざまなメリットを得られます。卸売業や小売業を営んでいる事業者は、物流会社の活用を検討してください

続いては、外部委託によって得られる3つのメリットをご紹介します。

 

商品のスムーズな配送が可能

物流の専門家である物流会社が商品の保管や配送を担当することで、商品をスムーズに顧客の手元に届けられるでしょう。特に、近年急激に増加しているネット通販においては、スムーズで確実な配送が顧客満足度に直結します。口コミなどの評価にも反映される部分ですから、十分な注意が必要です。

小売業の事業者が、自社で商品の保管、ピッキング、梱包、出荷を担当しようとすると、どうしてもリードタイムに限界があります。また、人の手で作業を行えば、人的ミスは避けられないものであり、クレームに発展する可能性も高くなります。倉庫内作業の効率化のノウハウや、最新のシステムを持った物流会社なら、ミスなくスムーズな対応が可能です。

 

人件費などコストの削減が可能

倉庫や物流業務に必要なシステム機器を保有している物流会社に物流業務を委託することで、人件費や設備費などのコスト削減につながります。

「自社で対応すればその分コストがかからない」という考えもあるかもしれません。しかし、実際に物流業務を自社で対応しようとすると、多くの人件費や設備費用が発生します。

 

例えば、「配送は業者に依頼して、倉庫は自社の空きスペースで」といった運用を行うとします。その場合、自社のスペースがそれだけ圧迫され、商品管理にかかる時間と手間が負担に。受注後のピッキングや梱包にもスタッフが必要です。これでは、本来の業務に対応できる人員が少なくなってしまうでしょう。

しかも、自社で専用のスタッフを雇うとなると、人件費が増加します。規模が大きくなって社外に倉庫を借りる場合は、倉庫の賃料やフォークリフトのリース費用なども発生します。物流会社を活用することで、こうしたさまざまなコストと手間の削減ができるのです。

 

繁忙期などの状況に合わせたリソース管理が可能

物流会社では、扱う商品の量に応じて費用が変動するのが一般的です。繁忙期や閑散期に合わせて倉庫の保管スペースを増減することができるため、無駄がありません。また、必要なリソースは物流会社側が確保するため、繁忙期にピッキングスタッフが採用できずに、人手不足に陥るといった心配も無用です。

繁忙期や閑散期を踏まえたリソースの細かい管理をしなくても、効率良く必要なリソースを確保できます。また、在庫量や事業の状況に応じて保管スペースを調整できるため、フレキシブルな在庫管理が可能です。

 

 

物流会社を選ぶときの3つのポイント

物流会社は、全国各地に数多く存在しています。物流業務を委託する際は、自社に適した業者を選ぶことが大切です。物流会社を選ぶときに確認すべきポイントを3つご紹介します。

 

物流拠点の立地・数

物流拠点の立地と数は、物流会社を選ぶ際の重要なポイントです。配送先までスピーディーに商品を届けるためには、想定しているエリアに強い物流会社を選ぶべきでしょう。

ただし、一概に拠点数が多ければ良いというわけではありません。全国の都市部に拠点が多い業者や、通常配送がしづらいエリアにも対応できる業者、特定のエリアに強く迅速な対応ができる業者など、業者ごとの強みがあります。自社に合った業者を選ぶことが大切です。

 

サービス内容・充実度

物流会社が対応できるサービスは、それぞれ異なります。主な対応業務についてはすでに紹介したとおりですが、それ以外にも、輸出に強い会社や、スピードが魅力の会社、取り扱いに注意が必要な特定ジャンルの管理や配送に長けた業者といった違いがあります。

カスタマーサービスやクレーム対応まで任せられる物流会社や、ギフトラッピングに対応している業者、返品対応が可能な業者などもありますから、対応業務を確認した上で、自社が求めるサービスを提供している業者を選びましょう。

 

保管方法の対応範囲

冷蔵品や冷凍品、危険物などを扱う場合は、対応できるかどうかを事前に確認する必要があります。設備の有無はもちろん、具体的な保管方法や作業クオリティ、過去にトラブルが発生していないかどうかなどもチェックしておくと安心です。

また、保管場所の管理が適切かどうか、周辺環境は確認しておきたいもの。自社の商品を安心して預けられるかどうか、倉庫内の温度や湿度、セキュリティ、商品の取り扱い方などを事前に確認しておくことをおすすめします。

 

 

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物流会社は、自社の商品を顧客に届ける重要な役割を果たします。安心して商品を任せられる会社を選ぶことが大切です。

 

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